貫通”piercing”
大場版では「ヨニを下げて、その上端にリンガを嵌入するのを<貫通>という」と訳されている。しかし、よくわからないのではないだろうか。えいごを直訳すると、「When the yoni is lowered, and the upper part of it is struck with the lingam, it is called “piercing.”(ヨニを低い位置にして、リンガでヨニの上部を突き刺すのを、ピアスと呼ぶ)」と書かれている。難しいのは「When the yoni is lowered」がどういう状況かということだ。
ヨニが低くある、というのは、女性が下にいる単なる正常位のことと考えることもできる。はたまた、ヨニの向きを下向きにする、と解することもできなくもない。正確を期すためにヨニを解説すると、リンガと共に出てくる時にはVulva(vagina:膣)を指す。そうなると、upper part of it(yoni) というのは膣の上壁(part:部分)と訳すのが正しいことになる。このように分析すれば、「When the yoni is lowered」は正常位となる。そのため、全体としては
『正常位で、膣の上壁(Gスポット)をリンガで突き刺すのが、ピアシング』とする説を提唱する。
一撃”giving a blow”
リンガをヨニから(抜き)ちょっと離してから、力強く突き刺すのが「一撃」。
猪の一撃”blow of a boar”
ヨニの一箇所だけをリンガで擦るのを「猪の一撃」。
牡牛の一撃”blow of a bull”
ヨニの両側をリンガで擦るのが「牡牛の一撃」。
6および、7と8は共に「一撃(blow)」のバリエーションなのだが、6の動作は「strikes(突き刺す)」で、7と8は「rubbed」で種類が違う。それでも題名では「blow」を採用している。つまり、6〜8は一連の動作とするべきだろう。突き刺し擦る(一箇所)、突き刺し擦る(左右:牛の角が左右にあるから)という動作を想起するのがベターだろう。
雀の戯れ”sporting of a sparrow”
リンガをヨニに挿入したまま、抜かずに、上下に行ったり来たり(規則的に)動かす。これを「雀の戯れ」。これは性交の最後に行う。
これも解釈が必要だ。まず、挿入したままで上下にリンガを規則的に動かす動作を想像していただきた。男性の恥骨でクリトリス辺りを前後に擦るような腰使いとなる。さらに、「性交の最後」という意味は女性の絶頂と解するべきで、女性にエクスタシーを与える具体的な方法論として、この9番が書かれていると解するべきだろう。
竹割り位”splitting of a bamboo”(女性が片脚だけ男性の肩に乗せ反対の脚はまっすぐ。それを左右交互に繰り返す)
釘打ち位 “fixing of a nail”(女性が片脚だけ男性の頭の上に置き、片脚はまっすぐに伸ばす) これも誤訳かもしれない。「女性が片脚だけ自分の頭(the head)の上に置き、片脚はまっすぐに伸ばす」だから、続く説明に、「これには練習が必要だ」とあるのだろう。つまり、新体操のように女性が片足をまっすぐ片脚を伸ばして自分の頭に付ける体位だ。