カーマスートラというと、64種類の体位ばかりが有名です。
でも、前に書いたように64種類も体位はありません。女性が身につけるべき(性的な)教養が64種類あるというだけです。
でも、本書で紹介されている対位は、AV監督や男優からも合理的で優れていると称されます。
逆に日本の『四十八手』は、ご存知のように浮世絵の創始者とも言われる菱川師宣の考案とされた、絵画の中のポーズ集です。つまり、四十八手はビジュアル的、絵画的、文学的(呼称が面白い)のであって、実際にやってみても、どちらかというとコメディーというか、馬鹿馬鹿しいことは否めません。

カーマスートラの体位は、快楽追求の科学的なポーズ

pexels-photo-256737.jpegカーマスートラで紹介されている体位は、非常に体系化されていて、男女の体格差(性器サイズ)からどれが適していて、さらには体格差を補うための補正方法など、かなり科学的かつ体系的に書かれています。しかも、国土の広いインド各地の風習などにも言及されていて、民族的な違いによる体位の活用方法についても研究されています。

日本のHOW TO SEXの呪縛か、日本人気質か?

先日も週刊ポストからコメントを求められたのですが、その企画内容は、大昔のベストセラー『HOW TO SEX』の世界から抜けていません。つまり、「こういう時は、こうしろ」「Gスポットはここで、こう攻めろ」というような、非常に紋切り型です。
カーマスートラでは、最低でも9種類の男女の組み合わせがあり、それぞれで最適なHOW TOが違うと書かれています。
経験からも、これは非常に正しい分類で考察だと思います。

でも、日本のHOW TOはバリエーションが少なく、せいぜい、上付き、下付き、くらいです。
そして、その男性考案のHOW TOがダメなら女医に聞く、AV女優に聞くとなってしまいます。
なんで女医がSEXの正しいHOW TOが語れるのか、実は意味不明なんですよね。というか、女医さんたち(数名しかいない)のご意見は、男性の認識が間違っている、という点では正しくとも、では何をするべきかという点に関しては情報不足が否めず、結局、自分の経験くらいで語っているに過ぎません。
さらにAV女優さんたちは、演技で食べています。相手にする男優は少数です(毎回同じ人をSEXする)。つまり、出演経験が豊富でもSEXの回数が多くても、毎回同じやり方なので、知識豊富にはなりようがないのです。

だから、女性たちが発信してくれているHOW TOも、その人の好みを言っているに過ぎず、日本人の紋切り型から抜け出していないのです。
本当は、様々な組み合わせ(体型の差だけでなく、年齢差、経験の差、民族の差、身分の違いなどから、体系的(科学的)に検討しないと、答えは出ないということになります。

カーマスートラで読むべきは体位解説ではなく、挿入技法

pexels-photo.jpgカーマスートラでとかく読み飛ばされているのが、体位解説の後ろの章です。
よく読まれているのは、体位と前戯の話です。しかし、重要なのは挿入技法です。
『男のなすべき行為』として書かれているので、若い時の私は挿入技法だと解りませんでした。

  1. 嵌入”Moving forward”
    互いの性器が、正しい位置に直線的に動く場合。大場版では「嵌入」と書かれているが、『性器の直線動作』と訳するべきだろう。
  2. 摩擦または攪拌”churning”
    リンガ(男性器)を手で持ってヨニ(女性器)の中でかき回す。
  3. 貫通”piercing”
    大場版では「ヨニを下げて、その上端にリンガを嵌入するのを<貫通>という」と訳されている。しかし、よくわからないのではないだろうか。えいごを直訳すると、「When the yoni is lowered, and the upper part of it is struck with the lingam, it is called “piercing.”(ヨニを低い位置にして、リンガでヨニの上部を突き刺すのを、ピアスと呼ぶ)」と書かれている。難しいのは「When the yoni is lowered」がどういう状況かということだ。
    ヨニが低くある、というのは、女性が下にいる単なる正常位のことと考えることもできる。はたまた、ヨニの向きを下向きにする、と解することもできなくもない。正確を期すためにヨニを解説すると、リンガと共に出てくる時にはVulva(vagina:膣)を指す。そうなると、upper part of it(yoni) というのは膣の上壁(part:部分)と訳すのが正しいことになる。このように分析すれば、「When the yoni is lowered」は正常位となる。そのため、全体としては
    『正常位で、膣の上壁(Gスポット)をリンガで突き刺すのが、ピアシング』とする説を提唱する。
  4. 摩擦”rubbing”
    同じように、ヨニの下側に行えば「摩擦」よ呼ぶ。これも上記の翻訳に従えば、正常位で膣の下壁へ突き刺す動作が「摩擦」となる。
    rubbingを摩擦と訳するのが適しているかどうかは、検討は必要だ。
  5. 圧迫”pressing”
    リンガでヨニを長時間圧迫するのが「圧迫」。これも難解である。挿入したまま男性が骨盤で女性器全体(外陰部)を圧迫するという読み方もできなくはない。しかし、ヨニを膣と解する原則に従うと、リンガでヨニ内壁に圧迫を続けると解するべきとなる。これを現代風に訳せばポルチオ刺激であったり、浅い位置であればGスポット圧迫になる。つまり、論理的な考察を加えれば、ヨニ内壁への圧迫とするべきだろう。
  6. 一撃”giving a blow”
    リンガをヨニから(抜き)ちょっと離してから、力強く突き刺すのが「一撃」。
  7. 猪の一撃”blow of a boar”
    ヨニの一箇所だけをリンガで擦るのを「猪の一撃」。
  8. 牡牛の一撃”blow of a bull”
    ヨニの両側をリンガで擦るのが「牡牛の一撃」。
    6および、7と8は共に「一撃(blow)」のバリエーションなのだが、6の動作は「strikes(突き刺す)」で、7と8は「rubbed」で種類が違う。それでも題名では「blow」を採用している。つまり、6〜8は一連の動作とするべきだろう。突き刺し擦る(一箇所)、突き刺し擦る(左右:牛の角が左右にあるから)という動作を想起するのがベターだろう。
  9. 雀の戯れ”sporting of a sparrow”
    リンガをヨニに挿入したまま、抜かずに、上下に行ったり来たり(規則的に)動かす。これを「雀の戯れ」。これは性交の最後に行う。
    これも解釈が必要だ。まず、挿入したままで上下にリンガを規則的に動かす動作を想像していただきた。男性の恥骨でクリトリス辺りを前後に擦るような腰使いとなる。さらに、「性交の最後」という意味は女性の絶頂と解するべきで、女性にエクスタシーを与える具体的な方法論として、この9番が書かれていると解するべきだろう。

以上が、男性のテクニックとしてカーマスートラに書かれている技法だ。
これは、前回解説した体位と組み合わせて行う。次回は、女性の技についての記述の翻訳と解説をしたい。
にほんブログ村 哲学・思想ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアルメッセージへ

コメントを残す